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精神疾患

薬物依存、アルコール依存、共依存……『依存』の症状や相談先についてまとめてみた

『依存』という言葉を聞いたことはありますか?

薬物依存、アルコール依存、ギャンブル依存、共依存、ネット依存、セックス依存、カフェイン依存、買い物依存などなど。

薬物やアルコールなどは昔からよく聞く言葉かもしれませんが、ネット依存などは割と最近できた言葉で、子供のネット依存に悩む親の相談が後を絶えません。

今回は各依存症の紹介というよりも『依存』と『依存症』とは何かというところに触れていきたいと思います。

知識を深めて、仕組みなどが分かれば、自ら注意して自制をすることも可能になります。

そもそも『依存』てどういう状態?

早速始めていきましょう。そもそも皆様は『依存』をどんな状態のことを指していると思いますか?

例えば、友達が1日中漫画を読んでいた。あなたはコレを「依存している!」といいますか?

子供がくまのぬいぐるみを形見離さず持っている。コレを「ぬいぐるみに依存している!」といいますか?

微妙ですよね…。ちゃんとした線引きが分からないので、何をどこまですれば「依存している」と言えるのか曖昧ですね。

ちょっとウィキペディア先生に登場して頂きましょう。

依存(いそん、いぞん、英: dependence)とは、身体的依存を伴うもしくは伴わない、薬物や化学物質の反復的使用である。

はい、もはやまったくもって意味が分かりませんね。ちょっとずつ解きほぐしていけばだんだんわかってくると思いますので、ひとつずつ調べていきましょう。

精神的依存と身体的依存

実は依存の症状にはふたつの種類があります。それが精神的依存と身体的依存。

まず精神的依存についてみていきましょう。精神的依存とは、繰り返し使用している特定の対象を止めた時に感じる、不安、怒り、焦り、不快感など精神的に現れる症状のことをいいます。

それに対し身体的依存とは、繰り返し使用している特定の対象を止めた時に感じる、頭痛、腹痛、または発汗、動悸、血圧の変化、振戦(手足が震えること)など体に起こる症状のことをいいます。

つまりこの身体的依存のあるないに関わらず、薬物やアルコールなど特定のものを繰り返して使用することを『依存』というわけですね。

ただ好きでお酒を飲んだり、買い物をする程度なら誰だってしますし、それが日頃のストレス発散になる場合だってあるとおもいます。

しかし、それがいつからか過度になり、それらがなくては日常生活を送ることすら困難になってしまうほどの状態のことを『依存症』といいます。

『依存症』はどういう病気?

『依存症』をザックリいってしまうと、それらを行うことによって自らの精神を安定させているわけです。つまりは一種の回避行動、防衛機制のようなものなんですね。

薬物をして、アルコールを飲んで、たくさん買い物をして、そうやって自分を保つしかないんですよ。それだけ何か不安になることがあって、大変困っているんです。

そして『依存症』と呼ばれるまでになると、それらを断つことが本当に難しくなります。

例えばアルコール。お酒を朝起きてから1日中飲んでいる生活を毎日続けていたとします。すると人の身体はある変化を起こすのです。

それはどういうことかというと、アルコールが体内にあるのが当たり前、普通の状態に身体の構造を変化させます

そんな人が当然お酒をやめるとどうなるか。離脱症状が起こります。お酒を求め、暴れまわります。お酒を飲まないと頭痛、吐き気、イライラ、不安などが治らないからです。

そうなると一番困るのは家族です。家族はものすごく頑張って本人のお酒をやめさせようとします。いろんな努力をします。でも本人はお酒をやめることができないのです。あらゆる手を尽くしてお酒を飲もうとします。

それが悪化していくと、家族、恋人に暴力を振るってまでお酒を手に入れようとします。そうなると家族、恋人は本当は嫌だと思う反面、お酒を買わないと殴られるからという理由でお酒を購入してきてしまいます。

更に家族、恋人の中には周囲に「そのアザどうしたの?」と訊かれ、「階段で転んだんだよ」と応えてしまうようになります。

あるいは本人ではなく家族が会社に休みの連絡を入れるようになったり、借金を返済し始めたりと、知らず知らずのうちに依存を助長してしまう周囲の行為イネイブリング、そしてイネイブリングを行ってしまう人のことをイネイブラーといいます。

こうなってしまうともう大変ですよね。家庭は崩壊してしまいます。

仕事に行くこともできなくなります。ご近所付き合いもうまくいかなくなりますし、借金だって増えてしまうかもしれません。

その他にも私生活に様々な影響を及ぼします。そうなる前に、しかるべき機関へ相談することを強くお勧めします。

『依存症』の相談先

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このご時世、『依存症』ではないかと思う方の相談先が少しずつ増えてきていますが、『依存症』を断る医療機関(精神科)もあるほど受け入れ先は限られています。

それを踏まえてひとつずつ紹介していきます。

病院、クリニック

まず相談するべき場所は医療機関です。

必ずしも上記のような状態になるまで待つ必要はありません。「依存症かもしれない」でいいんです。まずやるべきことは相談です。

ただ、先程も申した通り、『依存症』を受け入れてくれる病院、クリニックは限られています。

しかしながら、逆に専門機関として診てくれるところもありますが、常に予約がいっぱいで1〜2ヶ月待ちのところがほとんどです。

ちなみにもし、病院やクリニックに通院が始まり、そこにもしデイケアというリハビリ施設があれば通ってみることをお勧めします。

デイケアとは一般的に精神科病院、クリニックにある精神障害者が通うリハビリ施設のようなところです。そこでコミュニケーションの訓練をしたり、生活リズムを整えたり、その他心理教育、SST(ソーシャルスキル)、各プログラムを通じて社会に出るためのトレーニングを行います。

もし依存症専門病院などであれば、『依存症』の方のみが通うデイケアもありますので、そこで自分の気持ちを共有してみるといいかもしれません。

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市区役所、保健所

地域によって名称は異なりますが、『地域福祉課』『障害福祉課』『高齢障害課』など、障害や福祉などのワードが入っている窓口があればそこが相談窓口になります。

それ以外であればいったん総合案内などに尋ねてみましょう。

そこでどんな相談に乗ってくれるのかというと、障害福祉全般、どのような相談でも基本的にはOKです。そこで受けた相談内容を元に、適切な相談先を紹介してくれたりします。

いってしまえば、ここで医療機関を紹介してくれる場合もあるんですね。

まず窓口へ行き、「依存症かもしれないので、どこか相談先を知りたい」などといったことを相談してみてください。

自助グループ

『依存症』の方がもっとも治療に適している環境とは、依存関連の自助グループや断酒会という居場所に通うことです。そんな自助グループと呼ばれるところには、いろんな相談に乗ってくれるところもあります。

そういった自助グループや断酒会には『依存症』の方しか通ってきませんので、みんなで「お酒はダメだよね」なんて話をしながら、一緒に『依存』から抜け出すことができる場所になっています。

大きなところでいえばダルクという『依存症』を支えてくれる機関ですね。

断酒会とはアルコール依存症の方が通う居場所です。断酒会は日本で考えられたもので、あとアメリカで考案されたAAというものもあります。

中には医療機関にかかっていなくても通所可能なところもありますし、男性だけ、もしくは女性だけの居場所もあります。

しかし地域によっては車、電車で2時間かかるところにしかない、薬物依存はあってもネット依存はない、という差があります。

今はネット環境がとても普及していますから、ネットでよく調べて、気になるところがあれば電話やメールで問い合わせて頂くといいかもしれません。

カウンセリング

『依存症』の方々、未治療の方も含めてカウンセリングに通っている方も少なくありません。

カウンセリングは保険がききませんので料金は高く感じられることがあると思いますが、自分の気持ちを言語化するいい空間を与えられますので、カウンセリングルームに相談してみることもお勧めです。

その他

地域によっては、『依存症』の方の相談先がまだまだたくさん存在していると思います。

なネットで調べてみたり、市区役所なんかで訪ねて頂くときっといろいろな相談先を教えて頂けるかと思います。

まとめ

いかがでしたか? ご自分でも「もしかしたら依存しちゃってるかもな〜」と思い当たることがあるかもしれません。まずセルフチェックとして、日常生活に影響を及ぼしている度合いを考えてみてください。

生活費や食事よりもそれを優先にして給料を全額使っていませんか?

家族よりも、恋人よりも優先してそれらをしていませんか?

自分の中で生きていく上での優先順位の1位、もしくはかなり上位に薬物やアルコール、もしくは買い物などがある方。

そんな方は、まずご自分でその依存しているものよりも夢中になれるものを探してみましょう。何でもいいと思います。自分なりにそれよりも楽しいと思えるものをいろいろ試してみましょう。

たくさんやった、努力した、頑張った…それでもうまくいかなかった時、ひとりではどうしようもない場合に、医療機関への受診を考えてみましょう。もちろん「依存症かも」と思った時点で病院へ相談されるのも全く問題はありません。

精神科ってどんな治療をするのかについては『精神科病院やクリニックってどんな治療をするの?』を参考にしてみてください。

一番大事なのは、早期に発見し、早期に治療を開始することです。何事もそうですが、早く気付き、早く対処した分だけその後の生活が大きく変わります。

なかなか自覚の難しい『依存』ですが、これを機にご自身のことを見つめ直してみてください。あなたのたった一度の人生、楽しく生きていけますように。

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