今回は誰かを信用して「誰にも言わないでね」と言う人の心理や、噂話がどうして広がってしまうのか、というよくあることで、みんなが困っているであろうお話をしようと思います。
あらゆる状況下もあるでしょうし、どういった心理が働いているかにもよりますが、いろいろとまとめてみましたので是非ご覧ください。
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『だれここ話』の定義
この記事の中での定義をはっきりさせておきましょう。
内緒の話、秘密の話を「絶対誰にも言わないでね」「ここだけの話にしてね」と言って誰かに話すこと、それらの話を耳にする話のことをここでは『だれここ話』とさせて頂きます。
内緒の話、秘密の話を聞いた人の心理
一般的な流れからいくと、まず誰かの噂話や隠し事、社内の大事なことを耳にすることから始まると思いますのでここから考えていきましょう。
この場合も、いろんなパターンがあるかと思います。
- 『だれここ話』
- あなたしか告げられていない。
- 偶然話が耳に入ってしまった。
などなど。いろいろなパターンに共通する心の中にうまれる心理を見てみましょう。
『誰にも言わないようにしよう』
「誰にも言わないで」と念を押されて聞く話、もしくはそんな意図はなかったとしても自然と耳に入ってきてしまった大事な話ですので、「誰にも言わないようにしよう」「知らないことにしておこう」と思う人もいると思います。
※これが一般的なのかは正直分かりませんので、“いると思います”という表記にしてあります。
『◯◯に言おう』
このパターンは聞いた話の内容にもよるのかなと思います。
その人が仲の良い人と思う人に関する内容だと「その子に教えてあげよう!」と思う人もいると思います。またその内容が、とても面白おかしいネタになりそうな話の場合、「◯◯に言おう〜っと」となる方もいるでしょう。
誰に関することなのか、何に関することなのかで直感的に誰に言おうという相手が変わるということです。
なぜ『だれここ話』を誰かに言ってしまうのか
そもそも、誰にも言ってはいけないと思う内緒の話を、どうして人は誰かに言ってしまうのでしょうか。これもいくつか理由があると思います。
その人のため
中には人の悪口や間違った情報などが耳に入って来ることもあるかと思います。
しかもそれが例えばあなたと凄く仲のいい人の間違った情報であれば腹が立つこともあるかもしれません。そんな時に、「あなたのこんな噂が流れていたよ」と本人に教えてあげる人もいると思います。
これはある程度の信頼関係が成り立っていないと難しいかもしれません。本人が聞いて不快なことを本人に伝えるわけですので、言う側もそれなりの勇気と覚悟を持って伝えることが大事だとは思います。
好かれたい、注目されたい
このタイプの方も結構いるかもしれません。誰かに好かれたい、注目されたい方。
これは割と自分の立場が良くない状況だと何かしら感じている方が使われることが多いかと思います。もしくは特定の人から嫌われないようにしているかでしょうか。
極端に言ってしまうと「自分はこれだけ重要な秘密を握っているんだよ、みんな私に寄っておいで」という心理が働いているということです。
言ったらマズイ情報と分かっていながら、たくさんの人に好かれたい、あるいは特定の個人から好かれたいがために秘密の話を『だれここ話』として言う方もいらっしゃいます。
仲が良い人、仲良しグループだから
ただシンプルに仲が良い、友人、親友だ、もしくは仲良しグループだと思う方に話すというパターンもありますね。
一度互いの情報を言い合うと、これまで以上に信頼関係が深まった感じがしますよね。そして人はその関係を維持しようとまた新しい『だれここ話』を相手に教えます。
それで関係をキープする人もいれば、苦痛に感じている人もいるかもしれませんね。
安心感がうまれる
秘密の話を聞いたとき、直感的に思う気持ちがあります。『絶対に言わないようにしよう』か『◯◯に言おう』。
またこれを誰かに言う場合、いろんな気持ちが働きます。『その人のためを思って』『◯◯に好かれたいから』『仲良しだから』。
これらのベースにはいったいどんな大きなものが存在しているのでしょうか。
それは安心感です。
誰かに好かれている、自分は注目されている、頼りにされている。「へぇ! それでそれで?」と寄ってきてくれる人がいると人はとても安心します。必要とされることを嬉しく思います。集団の中に、輪の中に入ることがその人にとってとても安心できる居場所を確保したことと同じになります。
そんな気持ちを継続するために、安心感を得るために人は『だれここ話』を言ってしまうのです。
聞き手にかかる魔法の言葉
人が誰かに『だれここ話』を言うときの魔法の言葉があるのはご存知ですか?
冒頭にも出てきましたし、『だれここ話』の名称の由来にもなった言葉です。それは、
- 『誰にも言わないでね』
- 『ここだけの話』
- 『あなただから言うけどさ』
これらは、これまでの人生で一度は言われたことがある言葉ではないでしょうか。これにはどんな効果かあると思いますか? その時の気持ちを思い出してみてください。
『嬉しい』という感情が湧いてきませんか? 誰しもが嬉しいと思います。「え〜秘密の話言われたよ、マジうざい」と思う方はあんまりいないんじゃないでしょうか。いろんなビックリネタを聞けて、尚且つ『あなただけ』とか言われちゃうと、ものすごく嬉しいはずです。
これにはある法則があります。
それは、聞き手に与える特別感です。直接的でなくても『あなたにだけ特別よ』ということを相手に伝えることができます。まさにコレ。実際与えられる方はとても心地が良いと感じると思います。私もそうですしね。
ちなみに相手の本音や聞き出したいことがあるときは、先に自分の持っている大事な情報を話すと、相手が喋ってくれる可能性が高くなると言われています。これも特別感や安心感をうまく使ったやり方です。
営業の方でも似たような方法を使われる方もいますね。『いま会員登録したあなた限定の特別な情報』『私が担当しているあなたにだけ教えるとっておきの情報』などなど。
『特別なあなた』と噂が広がる仕組み
それでは、あなたにとっての特別なあなたとはいったい誰なのか、について考えてみましょう。つまり、『あなただけ特別』の『あなた』とは、いったい誰のことを指すのかということです。
人はいろんな考えや個性を持った人に溢れています。似たような考えを持った人はいるとしても、全く同じ性質を持った人には巡り合ったことはないと思います。
何が言いたいのかというと、『特別なあなた』も人によって違うということです。
『だれここ話』が広まってしまう仕組みは、不安や曖昧さ、よりリアルである内容であることが謳われていますが、それに加えて『特別なあなた』が人それぞれ違うことによって広がっていくことが大きいのではないかと考えます。
AさんがBさんに『だれここ話』を言っても、Bさんは『特別なCさん』にそれを伝え、CさんはCさんにとっての『特別なDさん』に『だれここ話』をするのです。
どうでしょうか。実にシンプルで分かりやすい仕組みだと思います。
『だれここ話』は広がります
これまでの理由から、どんなに信用している人でもあなたが言ってしまった『だれここ話』はほぼ確実に違う誰かに伝わってしまうことが分かりました。
ただその中には、悪意があって言う人もいれば、誰かのためを思って言っている人がいるということも知っておくといいかもしれません。
ですが、「誰にも言わないで欲しい」と思って相手を信用して言った情報が、まったく関係ない人たちが知っていると腹が立ってしまうでしょう。場合によっては全然違う情報として誰かに伝わってしまい、あなたが不利になってしまうというパターンも大いに考えられます。
そうならないためにも、『だれここ話』を言わない、そして聞かないということが一番あなたの身を守る対策であるといえますね。
まとめ
いかがでしたか? なるほど、と思って頂けるお話でしたでしょうか?
人間関係が拗れてしまう原因にもなり得る『だれここ話』。取り扱いには十分に注意しましょう。誰かにポロッと言ってしまったことは、間違いなくいつか誰かに伝わると思った方がいいです。なので伝わってもいい話だけするといいかもしれませんね。
特に『お局様』的な存在の人に知れてしまうと大変なことになってしまいます。要注意です。
秘密を喋ることだけが良い人間関係を築く方法とは限りません。最初はうまくいかなくても、少しずつ自分なりのやり方を見つけてできるようになってくるといいですね。