あなたの周りに、年齢は若いのに『物忘れの激しい人』、そして『人の話を最後まで聞かない人』はいませんか?
もしくは、「周りからよくそのことを指摘される…」とお困りの方はいませんか?
今回はお話しする内容は、それらの困りごとをお持ちの方は『ADHD(注意欠陥多動性障害)』の可能性があるということ。
ADHDの特徴には、他にも様々なものがありますが、今回はタイトルの2つに絞ってお話をしてみようと思います。
ADHD(注意欠陥多動性障害)とは?
不注意、衝動性、多動性の3つの症状が見られるのが特徴です。最近ではよく「大人のADHD」という言葉が聞かれます。
ADHDだけではなく発達障害全般に言えることですが、これらは大人になって急激に発症するわけではなく、小さい頃から症状が出ていると言われています。
子どもの頃には気付かなかった人が、大人になってうまく社会で生きていけず、何が原因か分からないけどと精神科を受診し、ADHDと診断を受けた人がたくさんいらっしゃいます。
それでは『物忘れ』と『人の話を最後まで聞かない』タイプのADHDが、社会でどのように困ってしまうのかをお話してみようと思います。
物忘れがある
これは割と典型的と言ってもいいのかもしれません。ADHDの方で非常に生活に影響が出てしまうのが、この『物忘れ』です。
ADHDの方は、物事を覚えることが非常に苦手です。物事に集中することが難しいので、例えば打ち合わせをしたことすら、まったく覚えていないこともよくあります。
それでは、多くのADHDの方がどういった『物忘れ』で困っているのか、いくつか箇条書きで書き出してみます。
- 約束事を忘れてしまい、すっぽかしたことがある
- 提出期限を忘れて、申し込みができなかったことがある
- 会議で自分が任されたことをすっかり忘れてしまい、会社に迷惑をかけた
- 「アレ持って来て」と頼まれたことをすぐに忘れる
- 鍋に火をかけていたことを忘れ、焦がしてしまう
その日の体調などで「うっかり」することは誰にでもあると思うのですが、ADHDの方はこれらの症状が非常に頻度高めで発生しています。
そういったことが頻繁に起こり、「認知症ではないか…」「物忘れがひどくて…」と精神科を受診する20~30代の方が今急増しています。
人の話を最後まで聞かない
これはどういうことかというと、
「昨日テレビでやってた『あぁ〇〇でしょ! あれ最高だったよね~!』
「最近ダイエット始めようと思って〇〇サプリを『あ、そのサプリってさ私も良いと思ってたんだけど持ってる? 欲しいんだよね~』
上記の会話のように、最後まで話し終わる前に『この話題だ』と思い込み、上から覆い被さるように話し始めています。
そうなると話そうとしていた人は、
このように話を遮られたことを、非常に不快に感じてしまいます。しかも自分が話そうとしていた話題からズレてしまうと、『この人とはもう話したくない』と思ってしまいます。
当の本人は、まったく悪気なく、そういった自覚もないので、どうしてトラブルが起きているのか理解できない場合が多いです。
これはADHDの特徴のひとつでもある衝動性の高さが原因です。すごく分かりやすく言うと、「待てない」「言わなきゃ落ちつかない」などです。
トラブルを起こしやすい
『物忘れ』『人の話を最後まで聞かない』ことによるトラブルは多いです。実際これらのせいで、会社に迷惑をかけた、友達と喧嘩したなどと悩みを抱えている方の話をよく聞きます。
また仕事中や家での生活にもとても支障をきたしてしまうので、周囲に迷惑をかけてしまい、厄介者とされてしまうことがあります。
しかし、上でもお話した通り、当の本人さんたちにはまったくそれらの自覚はありませんし、本当に悪気はないのです。
【対策】どうすればいいのか?
もしあなた自身がお困りの場合、可能であれば精神科を受診し、薬を飲むのが一番おすすめです。
精神科というと「敷居が高い」という方もいるかもしれませんが、最近の精神科の患者数は伸びているのが現状です。
まず精神科に行き、自分がADHDなのかどうか、検査する必要があります。精神科には臨床心理士が在籍していて、心理検査を実施してくれる病院やクリニックが増えています。
初診のお問い合わせをするときに、『心理検査ができますか?』と聞いてみるといいですよ。
その検査結果や診察で話したことを元に、ADHDの診断を受けた方は、ADHDの薬を処方してくれます。2018年時点ではストラテラとコンサータという2種類の薬があり、どちらも『効果を実感している』と感じる方が多い印象です。

「精神科はやっぱり行きたくない」という方は、
- とりあえず手帳を買って予定を書き込んで管理する。
- 忘れないようにメモを取る習慣をつける。
- 人の話は最後まで聞くように意識する。
- 言いたいことがあっても我慢する。
などのことをやってみてください。
いろいろ自分なりにやってみて、どうしてもうまくいかないという場合は、精神科の受診を視野に入れてもいいかもしれませんね。

まとめ
今回は『物忘れがある』『人の話を最後まで聞かない』人はADHDの可能性がある、というお話でした。いかがでしたか?
これらが必ずしもADHDに当てはまるものではありませんが、もし気になるようだったら、心理検査を受けてみることを強くお勧めします。
ちなみにADHDのことをもう少し詳しく知りたいという方は、製薬会社の作成したこちらのサイトが非常に分かりやすいので参考にしてみてください。
また本で調べたい方は、個人的にこちらの本が分かりやすいかと思います。